藤沢の自然栽培野菜食堂が、あえて畑に立ち続ける理由
農林水産省の調査によると、子育て世代の保護者の約7割が「子どもに食べさせるものの安全性を強く意識するようになった」と回答しているそうです。でも実際に「顔の見える野菜」を使った食事を、外食で体感できる場所となると、ぐっと数が絞られてきます。藤沢市で48年続く「手打ちほうとうと発幸料理の店 元祖へっころ谷」では、二代目店主の古屋ケンゴが今も自家菜園の畑に立ち続けています。その理由は「野菜を仕入れるため」だけではありません。この記事では、ケンゴさん自身の言葉を借りながら、その答えに迫っていきます。
こんな方におすすめ
- ✅ 子どもに何を食べさせるかを真剣に考えている方
- ✅ 家族みんなで「本物の美味しさ」を囲む食卓を求めている方
- ✅ 無農薬・自然栽培野菜を使った外食を藤沢近辺で探している方
- ✅ 食材の「産地と顔」が見えるお店を選びたい方
- ✅ 添加物や農薬が氣になって、外食に少し躊躇している方

ジャンクフードしか食べなかった20代が、畑に立つようになった理由
「正直に言うと、20代前半はコンビニとファストフードで生きていたんです」
ケンゴさんはそう笑いながら話してくれます。1970年生まれ、藤沢市北部の畑や田んぼに囲まれた地域で育ちながら、若いころは食への関心がほとんどなかった。それが大きく変わったのは、結婚がきっかけでした。
両親が営む「へっころ谷」で働き始めたのは24歳のとき。山梨中のほうとうを食べ歩きながら麺打ちと出汁の研究を重ね、26歳で土着微生物を活かした自然農に出会います。「土の中に生きているものが、食べる人の腸の中にいるものと繋がっている——そこが腑に落ちた瞬間から、畑が全然違うものに見えてきたんです」と言います。
その後36歳で店を継承し、「旬・身土不二」の理念のもとに自家菜園を育て始めます。藤沢市亀井野の店のすぐ近くにある小さな畑。化学肥料も農薬も使わず、土と対話しながら野菜を育てる暮らしが今も続いています。
「顔の見える野菜」「自家製発酵調味料」という言葉に共感しつつも、実際に来店したらどんな雰囲気なのか、子連れでも大丈夫かと少し氣になっている方もいると思います。LINEでは来店前の質問や相談ができるほか、旬の新メニュー情報や発幸ワークショップの案内も受け取れます。友だち追加だけなので、氣軽に覗いてみてください。
「誰が、何から、どう作ったのか」が見える食事であること
へっころ谷の厨房では毎日、麺を打つ音がします。埼玉県産「農林61号」と岩手県産「南部小麦」をブレンドした生地を、ケンゴさんが手で打ち、切り、仕上げる。出汁は長崎・熊本の煮干し、枕崎産の鰹節、北海道産の昆布、九州産の椎茸から取る天然素材だけで、化学調味料は一切使いません。
「料理って、最終的には素材なんですよ。どれだけ腕があっても、素材が弱ければ出せる味に限界がある。逆に、ちゃんとした野菜と出汁が揃えば、加工するほど味は遠ざかる氣がします」
自家菜園で育てた無農薬・無肥料の野菜だけでは季節によって賄いきれないため、地元藤沢の「わいわい市」で農薬不使用の生産者さんの野菜を選び、千葉・香取農場や北海道紋別のこだわり農園とも連携しています。「顔を知っている人の野菜しか使いたくない」——これが、ケンゴさんが今も自ら畑に立ちながら、生産者と直接つながり続けている理由のひとつです。
食の安全を家族で考えている方に向けて書いた記事「藤沢の子供メニューが、あえて大人と同じ本物にこだわる理由」もあわせて読んでいただくと、へっころ谷の食づくりの姿勢がより伝わると思います。
✓ ここまでのポイント
- ケンゴさんがジャンクフード生活から自然農へと変わったのは、26歳での「土着微生物との出会い」がきっかけだった
- へっころ谷の食事は「誰が・何から・どう作ったか」が見える素材だけで構成されている
- 自家菜園・顔の見える生産者・天然出汁という三つの軸が、ほうとうの味を支えている
「もちもちの手打ち麺と、たっぷりの野菜の旨み」を体感しに行きたいと思ったとき、土日は予約なしでは入りにくい混雑があります。お座敷・テラス席など希望の席を指定しながら確実に来店するなら、ネット予約が確実です。氏名・人数・希望日時の入力のみで完了します。
「もちもちの手打ち麺と、たっぷりの野菜の旨み」——お客様の声が教えてくれること
「もちもちの手打ち麺と、たっぷりの野菜の旨み」
来店されたお客様より(複数の声より)
この声を聞くたびに、ケンゴさんは「ああ、伝わってるな」と思うそうです。ほうとうはシンプルな料理です。麺と野菜と汁。だからこそ、素材の質がそのまま味になる。
へっころ谷のほうとうは、山梨の伝統的な無塩麺とは少し異なり、神宝塩を加えることでコシと旨みを引き出しています。かぼちゃは煮崩れないよう「ホクホク」の状態で提供し、地域のお客様の食べ慣れた感覚にも寄り添っています。卓上には自家製山椒七味唐辛子、オリジナル燻製塩、神宝塩アマテラス・ブラックが並んでいて、食べ進めながら味の変化も楽しめます。
「子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、同じお椀を前にして『これ、美味しいね』って言い合える。そのシンプルな時間が、うちの食事の目指すところです」とケンゴさんは言います。派手さより、じんわり伝わる旨み。食べ終わったあとに体が軽い感じ。それが、何度も通い続けるお客様が増えている理由なのかもしれません。
藤沢のファミリーディナーが、大人にも本気で作られている理由という記事でも、家族それぞれが納得できる食事づくりへのこだわりを紹介しています。
発酵という視点が、畑と食卓をつなぐ
ケンゴさんが持つ資格のひとつに「万能酵母液公認インストラクター」があります。ナチュラルシードマイスターやFTW酵素マイスターとしての知見も持ちながら、店内では味噌・納豆・塩麹・醤油麹・甘麹・ひしお・豆乳ヨーグルト・豆乳チーズなど、多品目の発酵調味料を自家培養しています。
「発酵って、土の話と全部つながってるんですよ。土の中の微生物が野菜を育てて、その野菜が人の体に入って腸内で微生物と出会う。畑と腸は続いてる——そう思ったら、畑に立たないわけにはいかないじゃないですか」
自家製の納豆は、無農薬の国産在来大豆を無農薬・無肥料栽培の稲わらで発酵させたもの。発酵を「発幸」と書くのは、ケンゴさんが「食べることは幸せになることだ」という思いを込めているから。そのこだわりは、子育て世代にとって特に大切な視点だと感じます。
子連れでの来店について詳しく知りたい方は、藤沢の座敷席が、子育て中の店主だからこそ作れた理由もご覧ください。お座敷に子ども用椅子・おもちゃ・絵本が揃っている背景も書いています。
まとめ——畑に立つのは、食卓のためだという話
ケンゴさんが畑に立ち続けるのは、農家になりたいからではありません。「どんな土から、どんな野菜が育っているか」を自分の目と手で確かめることが、厨房での仕事の精度につながっているから。そして、それが家族みんなで「本物の美味しさ」を囲む食卓につながっていると信じているから。
添加物や農薬への不安を抱えながら、外食を選ぶことに少し躊躇を感じていた方に、ひとつだけお伝えできることがあるとすれば——へっころ谷では、その「見えない不安」を「見える安心」に変えるための積み重ねを、48年かけてやってきました。
10月の藤沢は、秋野菜が本番を迎える季節。根菜の甘みが増し、ほうとうの汁との相性が特に良くなってくる時期です。旬の素材を手打ちの麺と天然出汁で味わいに、ぜひ足を運んでみてください。
ご予約・お問い合わせは 0466-82-1702 まで
自家菜園の野菜・天然出汁・手打ち麺という「見える食事」を、家族みんなで囲む時間が藤沢の六会日大前駅そばで待っています。10月は秋野菜の旨みが増す季節で、ほうとうとの相性が特に良いタイミングです。席の確保は今すぐネット予約から。お子様連れ・ベビーカーでの来店も対応しています。


