実は藤沢の和食店が、ここまで手間をかけている理由
先日、お座敷でお子さん連れのご家族が食事を終えて帰り際に声をかけてくださいました。「無添加・無農薬・自然栽培野菜で、しかもお子様利用にも配慮されていて本当にありがたいです」と。その言葉を聞いたとき、正直ほっとする氣持ちと同時に、「この手間をかけてきてよかったな」という感覚がじわっと込み上げてきました。
へっころ谷は創業から48年、藤沢市亀井野でずっとこの地に根ざしてきた店です。私が二代目として店を継いだのが36歳のとき。それから今日まで、「なぜそこまでやるのか」と問われることは少なくありません。今回は普段あまり表に出ない仕事の裏側を、少し正直にお話しさせてください。
こんな方におすすめ
- ✅ 子どもに安心して食べさせられる藤沢の和食店を探している方
- ✅ 「美味しい」だけでなく、素材や作り方にこだわったお店を選びたい方
- ✅ 家族みんなで同じ食卓を囲める場所を求めている方
- ✅ 添加物や農薬への不安から、外食先の選択に慎重になっている方
- ✅ 手打ち麺や発酵食のこだわりが、なぜ美味しさにつながるのかを知りたい方

毎朝の麺打ちは「省略できない」作業ではなく、味の核心です
ほうとうの麺は、毎朝店内で打っています。機械ではなく、手で。埼玉県産の「農林61号」と岩手県産の「南部小麦」をブレンドして使っているのですが、この配合にたどり着くまでに何年もかかりました。
二代目になる前、20代の半ばから山梨中のほうとうを食べ歩きました。地域によって麺の厚みも幅も食感も全然違う。出汁の引き方も味噌の種類も、作り手の数だけ答えがある。そこで腑に落ちたのが「ほうとうに正解はないけれど、素材の組み合わせには確かに相性がある」ということです。
在来小麦は香りと甘みが強い半面、コシが出にくいという特性があります。だからブレンドの比率と塩の加減が鍵になる。山梨の伝統的なほうとうは無塩で打つことが多いのですが、へっころ谷では神宝塩をひとつまみ加えて打っています。これによってコシと旨みが引き出され、煮込んでも麺がへたらない。お客様に「もちもちしてる」と言っていただける食感は、この小さなこだわりから生まれています。
手打ち麺がなぜ美味しいのか、製麺の現場から解説した記事もありますので、麺のことをもっと深く知りたい方はぜひ読んでみてください。
「誰が、何から作ったか」が見えるお店を探していても、実際に行く前に「自分たちに合う雰囲気かどうか」が気になってなかなか踏み出せないことってありますよね。LINE公式では来店前の質問や相談ができるほか、旬のメニュー情報や発幸ワークショップのお知らせも受け取れます。LINEの友だち追加だけなので、気軽に繋がってみてください。
「誰が、何から作ったか」が見える出汁と野菜を選ぶ理由
出汁は、長崎・熊本産の煮干し、枕崎産の鰹節、北海道産の昆布、九州産のしいたけを合わせて引いています。化学調味料は使いません。使わないというより、使う必要がない、というのが正直なところです。
素材がちゃんと生きていれば、旨みは自然に出てくる。逆にいうと、素材の質が落ちれば誤魔化しが必要になる。だから仕入れ先を変えることへの抵抗が大きい。千葉の香取農場さん、北海道紋別のこだわり農園さん、近くの藤沢「わいわい市」の農家さん——みなさんとのお付き合いは、単なる食材の取引じゃなくて、信頼関係に近いものだと感じています。
自家菜園も続けています。無農薬・無肥料で育てた野菜は、見た目は不揃いでも味が濃い。季節によって育つものが変わるから、メニューも自然と変わっていく。「以前食べたメニューがなくなった」というご不満をいただくこともあります。それでも旬を外してまで固定メニューにはしたくない、というのが今の私の正直な氣持ちです。
✓ ここまでのポイント
- 毎朝の手打ち麺は、在来小麦のブレンドと神宝塩の加減によって「もちもち感」と「煮崩れしない強さ」を両立させています
- 出汁は天然素材のみ。野菜は顔の見える農家や自家菜園から。「誰が何から作ったか」が分かる食材だけを選んでいます
- 旬に合わせてメニューが変わるのは、素材の力を最大限に活かすための選択です
手間ひまを惜しまない料理を、子どもと一緒にゆっくり味わいたいなら、席の確保が先決です。土日は予約なしでは入れないほど混雑することがある当店では、ネット予約でお座敷やテラス席を事前に指定しておくと、来店後の待ち時間なくスムーズに案内できます。氏名・人数・希望日時の入力だけで完了します。
発酵調味料を店内で自家培養している、少し変わった理由
味噌・塩麹・醤油麹・甘麹・ひしお・玉ねぎ麹・とまと麹・豆乳ヨーグルト・豆乳チーズ——これだけの種類の発酵調味料を、店内で自分たちで作っています。「なんでそこまで?」とよく聞かれます。
正直に言うと、最初は「市販のもので十分じゃないか」と思っていた時期もありました。転機になったのは26歳のとき。土地の土着微生物を活かした自然農に出会い、発酵の世界に引き込まれたことです。菌が生きて働くプロセスを目の当たりにしたとき、「これは料理の延長じゃなくて、いのちの話だ」と体感しました。
以来、発酵は「発幸」という字を当てています。菌の働きで素材が変容し、食べた人の体と心が整っていく——その連鎖を、料理を通じて届けたいという想いがあります。市販の調味料では出せないコクと奥行きが、自家培養のものには確かにあると感じています。
基本の味噌は山梨から取り寄せる天然醸造味噌を使いながら、黒千石味噌や白味噌は自家培養でまかなっています。このあたりの発酵食と料理の関係については、藤沢で発酵料理を選ぶ人が増えている理由を語った記事もあわせて読んでもらえると、より深く伝わると思います。
「無添加・無農薬・自然栽培野菜で、お子様利用にも配慮されていて本当にありがたいです」
30代・女性(お子様連れでご来店)
子どもが食べる席だからこそ、省けないことがある
電子レンジを置いていません。これはときどき「乳幼児のパウチ食品を温められない」というご不便をおかけしてしまうのですが、電子レンジによるビタミンやミネラルの損失を考えると、やはり置く氣になれないのです。せっかくいい素材を使っても、調理の過程で栄養が飛んでしまったら本末転倒だという感覚です。
お座敷には子ども用の椅子・おもちゃ・絵本を用意しています。乳幼児のお食事の持ち込みも自由にしていただいています。店主である私自身、4人の子どもを育ててきた時期がありました。当時は離乳食を別に用意した記憶がほとんどなくて、ほうとうの具材をスプーンで潰して食べさせていたくらいです。
それくらい、へっころ谷の料理は素材の段階から安心できるものを使っているという自負があります。子どもが食べるものだから手を抜かない、という発想ではなく、大人が安心して食べられるものが、そのまま子どもにも届く——その順番が大切だと思っています。
また幸素玄米は、FTWセラミックプレートと神宝塩と素粒水で炊き上げているため、通常の酵素玄米と違って炊き立てで食べられます。白米よりも栄養が豊富で消化にも優れていて、小さな頃から食べ続けてほしいお米のひとつです。
まとめ——「本物の美味しさ」は、見えない手間の上に立っている
毎朝の麺打ち、天然素材の出汁、顔の見える農家からの野菜、店内で育てる発酵調味料。一つひとつを挙げていくと、「そこまでやらなくてもいいんじゃないか」と思われるかもしれません。でも私にとっては、どれも省けないことです。
「これ、本当に美味しいね」と家族みんなで言い合える瞬間は、食材の一つひとつが正直に積み重なったところにしか生まれない——そう信じているから、手間をかけ続けています。
藤沢市亀井野で48年、この場所で作り続けてきた理由は、きっとそこにあります。
ご来店前のご相談やご質問は、お電話でもお気軽にどうぞ。
📞 0466-82-1702
毎朝打つ麺、天然出汁、自家製発酵調味料——この記事で語ってきた手間のすべてを、家族で一緒に味わいにきてください。子連れで確実に席を取りたい方は、ネット予約でお座敷席や希望時間帯を指定しておくと安心です。予約は無料で、数分で完了します。

