ほうとう御膳を、実際に注文して食べてみた
結論から言うと、ほうとう御膳は「家族みんなで囲んで、誰も我慢しなくていい食卓」を体感できる一皿でした
子どもには添加物が心配、おじいちゃん・おばあちゃんには消化の良いものを、自分には本当に美味しいものを——そんな全員の希望をひとつのテーブルで叶えようとすると、お店選びはどうしても難しくなります
今回は、藤沢市亀井野にある「手打ちほうとうと発幸料理の店 元祖へっころ谷」の二代目店主・古屋ケンゴさんの一日に密着しながら、ほうとう御膳が食卓に届くまでの舞台裏を追いました
「素材が見える食事」がどういうことなのか、現場でしか感じ取れないことがたくさんありました
こんな方におすすめ
- ✅ 子どもや家族に無添加・無農薬の食事を食べさせたい方
- ✅ ほうとう御膳が実際にどんな内容か知りたい方
- ✅ 藤沢・湘南エリアで家族全員が安心して食べられるお店を探している方
- ✅ 「体に優しい食事」が本当に美味しいのか半信半疑な方
- ✅ お店の雰囲気や店主の人柄を事前に知ってから来店したい方

朝7時:厨房で始まる、見えない仕込みの時間
取材当日、お店に着いたのは朝の7時過ぎでした
開店は11時ですが、古屋さんはすでに厨房にいました
「麺は朝に打たないと間に合わないので。粉を計るところから始めて、今日の温度や湿度に合わせて水の量を微調整します」
使っているのは埼玉県産「農林61号」と岩手県産「南部小麦」のブレンド。伝統在来小麦にこだわる理由を聞くと、「現代小麦はグルテンの性質が品種改良で変わっています。古来の小麦の方が消化への負担が違う氣がして」と、断言するのではなく、あくまで「体感」として語ってくれました
麺を打ち終えると、次は出汁の準備に入ります
長崎・熊本の煮干し、枕崎産の鰹節、北海道産の昆布、九州産のしいたけを丁寧に合わせた天然出汁。化学調味料はいっさい使いません。「これだけ素材が揃うと、後は時間がやってくれます。急かさないことが大事なんです」という言葉が、この店のすべてを表しているような氣がしました
並行して、自家菜園と近隣の「わいわい市」から届いた野菜の下ごしらえも進みます。10月の今の時期は根菜類が充実する季節で、里芋やさつまいも、大根が並んでいました。無農薬栽培にこだわった生産者さんの顔が分かる野菜たちです
「子どもに安心して食べさせられるお店かどうか」という不安は、記事を読んだだけでは完全には消えないものです。来店前にアレルギーや席の希望を直接確認したい、最新のメニューや発幸ワークショップの日程を知りたいという方に、LINEで気軽に相談できる窓口があります。友だち追加だけで、すぐにやりとりができます。
開店前:御膳の構成を、一から組み立てる
ほうとう御膳とはどういう構成なのか、開店前に古屋さんに教えてもらいました
手打ちほうとうを中心に、幸素玄米、自家製発酵料理の小鉢が並びます。小鉢の内容はその日の旬や仕込みの状況によって変わることもあるとのこと。「今日は何が入っているか」という会話が生まれるのが、この御膳の面白さだと感じました
幸素玄米については少し説明が必要です。通常の酵素玄米は炊いてから数日寝かせないと消化しにくいのですが、へっころ谷ではFTWセラミックプレートと神宝塩と素粒水を使って炊き上げることで、炊き立てでも食べられるもっちもちの仕上がりになっています。「子どもに玄米を出せるお店って、なかなかないですよね」と古屋さん
実際に4人の子どもを育てた古屋さん自身、子どもたちには離乳食をほとんど作らず、ほうとうの具材をやわらかく潰して食べさせていたと言います。「体に入るものがどんなものかが分かっていれば、安心して食べさせられる。そういう食事を作りたいんです」
✓ ここまでのポイント
- ほうとう御膳の麺・出汁・野菜はすべて「誰が何から作ったか」が見えるものを使用
- 幸素玄米は炊き立てで食べられる特別な炊き方を採用。子どもにも安心して出せる主食
- 小鉢は旬の発酵料理が中心で、食べるたびに内容が変わるのも御膳の楽しみのひとつ
ほうとう御膳は手間ひまをかけた一皿なので、提供までに少し時間がかかります。とくに土日は予約なしでは待つことも多く、子連れだと席が取れないまま帰ることにもなりかねません。ネット予約なら希望の日時とお座敷・テラス席などの席の指定もできるので、当日の心配なく来店できます。氏名・人数・日時の入力だけで、数分で完了します。
ランチタイム:実際にほうとう御膳を食べてみた
11時の開店と同時に、ファミリーや常連さんが続々と来店し始めました
自分もテーブルに着き、ほうとう御膳を注文します
しばらくすると、手打ちほうとう・幸素玄米・発酵小鉢がトレーにのって運ばれてきました。色鮮やかな野菜と、素朴な器の組み合わせが、古民家の雰囲気にとても馴染んでいます
ほうとうを一口すすると、まず出汁の深みに驚きます。旨みが重なり合っていて、でも主張しすぎない。もちもちの麺は表面がなめらかで、かみしめると小麦の風味がじんわりと広がります。かぼちゃは崩れずにほくほくとした状態を保っていて、汁にほんのり自然な甘みが溶けています
卓上には自家製山椒七味唐辛子、オリジナル燻製塩、神宝塩アマテラス、神宝塩ブラックが並んでいて、途中で味変を楽しめます。こういう遊びがあるのが、長い時間をかけてゆっくり食べる御膳スタイルにとても合っていました
幸素玄米は、白米とも普通の玄米とも違う食感で「もっちり、でも軽い」という感じ。無農薬玄米と無農薬黒千石大豆が使われていて、噛むたびに甘みが出てきます
小鉢には自家製の発酵料理が並んでいました。化学調味料なし、自家製の発幸調味料のみで整えられた味は、ていねいさがそのまま口に届く感覚でした
「藤沢で体に優しいご飯を食べるなら『へっころ谷』と迷わず言えます。子どもと一緒に来ても、同じものを食べながら『美味しいね』って言い合えるのが嬉しくて」
40代・女性(お子さんと来店)
この声が、ほうとう御膳の本質をいちばんよく言い表しているな、と食べながら思いました
家族で同じものを注文して、誰かが「これは私には合わないかも」と思わなくていい。それがどれだけ貴重なことか、子連れでお店を選ぶ経験をしたことがある方なら分かっていただけると思います
藤沢・湘南エリアの体に優しいお店をもっと知りたい方は、藤沢のオーガニック食堂を実際に食べ歩いたレポートも参考にしてみてください
午後:発幸の仕込みと、翌日への準備
ランチのピークが過ぎると、古屋さんは厨房でまた別の仕込みを始めます
味噌、塩麹、醤油麹、甘麹、ひしお——これらはすべて店内で自家培養しています。「発酵は生き物なので、毎日様子を見ないといけない。でも、それが面白いんです」と古屋さんは言います
26歳のとき、土着微生物を活かした自然農と発酵に同時に出会ったという古屋さんにとって、仕込みの時間は今も研究の時間だと感じました。「発酵」を「発幸」と書くのは、発酵が「幸せを発する」ものだという感覚から来ているそうです。言葉ひとつにも、この人の世界観が宿っています
麹の種付けは外部に委託しているものの、発酵の管理と仕込みは店内でおこなっています。年間約20回おこなわれる発酵ワークショップでは、こうした自家製発酵食の作り方を参加者と一緒に体験する機会を設けていますが、それはまた別の記事で詳しくお伝えしたいと思います
午後の仕込みが一段落したところで、翌日の野菜の確認をします。自家菜園の状態、「わいわい市」から届く予定の農産物、千葉・香取農場や北海道紋別のこだわり農園からの入荷——毎日使う食材に対してここまで把握しているのかと、少し驚きました
「顔が見える食材じゃないと、自信をもって出せない。それだけです」
シンプルな言葉でしたが、それが29年間の積み重ねから出てきた言葉だということが、この一日の密着でよく分かりました
子連れでの来店を検討している方は、藤沢の子連れ個室ありのお店を実際に訪ねたレポートも合わせてご覧ください。へっころ谷のお座敷席の様子も参考になります
まとめ:「本物の美味しさ」は、見えないところに宿っている
一日密着してみて、一番強く感じたことがあります
ほうとう御膳が美味しいのは、「いい素材を使っているから」だけではありませんでした
朝7時から麺を打ち、出汁を引き、野菜の状態を確認し、発酵の様子を見守り、翌日の仕込みを考える——その一連の「見えない時間」が、テーブルに届く一皿の中に全部入っています
「派手な美味しさじゃなくて、食べ終わったあとに体が整う感じを味わってほしい」と古屋さんは言っていました
食べ歩いた発酵食との違いを感じたい方は、藤沢の発酵食品を実際に食べ比べたレポートも参考にしてみてください
家族全員が「これ、美味しいね」と言い合える食卓がある——そのことの価値を、ほうとう御膳は静かに教えてくれます
来店の際はとくに土日は予約がおすすめです。電話でのご予約・お問い合わせは 0466-82-1702 まで
毎月第三水曜日は「整え日」として休業していますのでご注意ください。また火曜日も定休日です
一日の密着で感じた「見えない仕込みの時間」を、実際に食卓で体感してほしいと思います。家族全員が「これ、美味しいね」と言い合えるほうとう御膳を、待たずに座って楽しむために、ネット予約から希望日時と席種を先に押さえておくのが一番確実な方法です。


